リテール大革命

「りんごジュースと一緒に売れる商品」など分析 JR東、自販機からPOSデータ収集決済は電子マネーのみ

» 2021年07月09日 17時00分 公開
[ITmedia]

 JR東日本クロスステーションウォータービジネスカンパニー(東京都品川区)は7月9日、飲料に加え、菓子や軽食も売る自販機を東京駅に設置した。POSデータを分析することで「どの商品がどの時間帯によく売れるのか」「飲料と一緒に購入されている商品は何か」などを把握する狙いがある。

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 新幹線の利用客をターゲットに、菓子や軽食も買える小さなコンビニのような自販機として展開。マスクや除菌シートなどの日用雑貨も取り扱い、エキナカでの幅広いニーズに応える。決済方法は電子マネーのみ。

 同社は、JR東日本のエキナカを中心に「acure」(アキュア)シリーズの自販機を展開している。acureの自販機では、販売した飲料の現金・電子マネーを含む全ての購買情報をPOSデータとして取得し、分析している。

 分析結果によると、自販機全体では午前7〜9時の購入者率が高い傾向にある。ゼリー飲料などは午後1時から徐々に購入者比率が上昇し、午後4〜5時台がピークに。空腹になりやすい午後5時〜6時には、スープ飲料の売り上げが伸びていたことが分かった。

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 新自販機では、飲料だけではなく食品も合わせて販売するため、「お昼の時間帯に自販機で一番売れる食べ物は何か?」「りんごジュースと一緒に買われているものは何か?」などの情報を把握できると見込む。従来の飲料自販機ではカバーできなかった新たなニーズの取り込みを狙う。

 設置後には購買状況の基本分析のほか、購買客の買い回り分析やリピート分析などを加えることで、商品ラインアップの最適化を目指す。

 同社は4月、JR東日本のエキナカで事業を展開する4社が合併して誕生。これまで4社それぞれで展開していた事業を1社に集約した。

 新自販機は、飲料自販機の企画運営を行ってきたウォータービジネスカンパニー(旧JR東日本ウォータービジネス)のノウハウに、エキナカコンビニ「NewDays」を運営するリテールカンパニー(旧JR東日本リテールネット)が持つ商品力を掛け合わせて開発したという。

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