産休や育児からの仕事復帰 早期希望は5割にとどまる

[季原ゆう，ITmedia]

　保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する明日香（東京都文京区）は、「育児後の仕事復帰と自治体の産後支援に関する意識調査」を実施した。その結果、約8割が産休や育休などで一時的に仕事から離れることで、仕事上でのキャリアに不安を感じていると回答したことが分かった。

　不安を「とても感じる」「やや感じる」と回答した人に理由を尋ねたところ、「子育てと仕事の両立ができるか心配」と回答した人が66.3％で最も多く、次いで「仕事のカンが鈍くなる」が61.6％、「会社のことが把握できなくなる」が60.5％となった。

　その他の不安要素としては、「社内のルールが改変されていたりすると追いつくのが大変」や「部署の人間関係の変化になじめるか」などの意見が挙がった。

　次に「キャリアに不安があるために、子育てとのモチベーションが高まらないなどを感じることがありますか」と尋ねると、半数が「ある」と回答した。また、「モチベーションが高まらないと感じる現状について思うこと」を聞いてみると、「子育てに集中できず、仕事のことを考えてしまう」や、「仕事のモヤモヤを子どもにぶつけてしまいそう」などの意見が挙げられた。

　住まいの自治体の産後支援についての充実度を聞くと、「非常に足りない」が12.8％、「やや足りない」が48.2％という結果になった。自治体の産後支援に求めることでは「安価な預かりサービス」や「もっと頻繁に健診をしてほしい」などの声が挙がった。

早期復帰希望は54％

　仕事にできるだけ早期に復帰したいと思うかは、「とても思う」は11.9％、「やや思う」は42.7％という結果になった。理由としては「社会的なつながりが持てる。誰かと会話ができる」や、「収入面の不安、仕事から長く離れる方が復帰しづらくなると思った」などの回答が挙がった。

できるだけ早期に仕事に復帰したいと思うか？

　産前と産後で、仕事復帰に対する考えが変わったか、どのように変わったのかを尋ねると、「1年待たずとも復帰するのは精神的にもいいのかなと思う」や、「産後はこどもの側にできるだけいたいので、なるべく遅く復帰したいと思うようになった」などの回答が挙がった。

　調査は、第一子となる0歳児の子どもがいて、育児後の仕事復帰を考えている女性110人を対象にインターネット上で実施した。調査期間は7月1日〜7月3日。