シャオミが社員122人に「3億円」特別ボーナス、ファーウェイ失速で絶好調浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(3/5 ページ)

» 2021年07月15日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

キングソフトにも恩恵波及

 シャオミがボーナスを連発するのは、納得の背景がある。21年1-3月期の売上高は前年同期比55%増収の768億8000万元(約1兆3000億円)、純利益は同2.64倍の61億元(約1000億円)で、どちらも市場予想を大きく上回った。

 絶好調の最大の要因は、米政府の規制でスマホの部品調達を封じられたファーウェイの失速だ。同社は世界のスマホシェアで19年まで2位を守っていたが20年は3位に後退。21年は7位まで落ちるといわれている。一方シャオミは20年後半に3位に浮上し、その座をキープしている。

 また、同社は今年2月にEV製造への参入を発表し、雷氏は「今後10年の経営者人生を賭けたプロジェクト」と決意を示した。自動車は人材の争奪戦が激しく、7月初旬にはトヨタ自動車の元チーフエンジニアが広州汽車集団の幹部に転身した。

 破格のボーナスは、より大きな勝負に向け、優秀な人材に向けたアピールもあるだろう。

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