急増する「ガシャポンのデパート」 売り上げ目標2倍を達成した“うれしい誤算”とは仕掛け人を直撃(4/4 ページ)

» 2021年07月21日 05時00分 公開
[唐仁原俊博ITmedia]
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ライト層やファミリー層も取り込む

 ところで、池袋はアニメファンが多く集まる地域だ。現在の、いわゆるオタク市場では女性ファンの影響力も大きいが、池袋総本店はそれを意識しているのだろうか。

 「最初のうちに想定していたほど、来客や売れるものに偏りはないですね。池袋は平日でも2割ほどがお子さま連れで、ファミリーの割合も高くなっています。お父さん、お母さん、お兄ちゃんと弟、みんなで1個ずつ買って、それをお互いに見せ合うという光景をよく目にします」(佐々木氏)

店内のイスでガシャポンを組み立てられるようにしている

 コアなファンだけではなく、ライト層やファミリー層も取り込めていることにも、コロナ禍の影響が考えられると佐々木氏は話す。

 おうち時間が増えたことにより、アニメを見る時間や機会が増えた。これまでアニメを見る機会がなかった人が作品に触れたり、一度アニメを卒業した世代が戻ってきたのではないか、ということだ。

 去年であれば『鬼滅の刃』、今年は『呪術廻戦』などがある。子どもだけでなく、年齢層が比較的高い人であっても、認知度が高いコンテンツの存在もある。ガシャポンのデパートにはアニメ関連の商品も多くそろっている。

 若い女性を中心にしながら、より幅広い年代を取り込んでいきたいガシャポンのデパートとしては、絶好のタイミングでスタートを切れたとも言えそうだ。

店内の撮影用ブースでは、組み立てたガシャポンを置いて撮影ができるようにした

著者プロフィール

唐仁原 俊博(とうじんばら・としひろ)

ビジネス系フリーライターの活動と並行し、総務省「地域おこし協力隊」制度を利用して、人口5300の岩手県西和賀町役場に勤務。さらに休耕地活用のためヤギの飼育を開始。ライター、地域おこし協力隊、ヤギ飼いの三足のわらじに加え、日本初「ヤギがいるコワーキングスペース運営」という四足目を準備中。


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