20年8月、ショッピングモールの横浜ワールドポーターズ(横浜市)やキャナルシティ博多(福岡市)に登場したのが「ガシャポンのデパート」。その名の通り、店内にはガシャポンがずらりと並んでいるが、コロナ禍という特殊な情勢も相まって注目を集め、店舗数を増やしている。
今年2月には、都内に「ガシャポンのデパート池袋総本店」がオープンした。店内のガシャポンの数は3000面に及ぶ(1台のガシャポンにつき、商品を入れるスペースが2つか3つあり、それらを「面」と呼ぶ)。
「2月26日の開業以降、新型コロナウイルス感染症の影響で、休業を余儀なくされた期間もあります。それでも売り上げ目標の約2倍の数字が出ているのは、われわれとしてもうれしい誤算です」(ベンダー営業部 ベンダー開発課 佐々木晶士マネージャー)
実際に店舗に足を運んでみると、子ども連れや若い女性の姿も目立つ。また、消毒や点検などのために巡回するスタッフはいるものの、売り場面積からすると、相当な省力化が図られているのが想像できる。
1号店がオープンした20年8月という時期から考えると、コロナ禍に対応すべく生み出された業態なのだろうか。
「プロジェクトが動き出したのは、奇しくも中国でコロナが騒がれだした20年1月頃でしたが、もともとはコロナ禍とは関係ありません。1、2号店がある横浜と博多の大型施設の売り場を再構成するにあたって、『広い床面積をどう使うか』という社内課題解決のためのプロジェクトでした」(佐々木氏)
現在、ガシャポンは第4次とされるカプセルトイブームの真っ只中にいる。では、今、世の中にあるガシャポンを全部集めるくらいの勢いで売り場を作ってみたらどうなるだろうか。
コロナ禍により、従来のやり方がそのままでは通用しなくなったことで、売り場の変革という意味はなおさら大きくなった。
「結果、大きな反響をいただき、売り上げも立っています。ただ、コロナ禍が終焉するまでは、この業態の真の実力は見えづらいのかもしれません。コロナ禍の影響で休業期間があったとはいえ、逆に手軽に遊べるレジャーとして選択されているという考えもありますから」(佐々木氏)
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