クラファン3900万円達成! 集中度を数値化するイヤフォン型脳波計「VIE ZONE」の可能性中高年の男性が支援(3/5 ページ)

» 2021年07月23日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

脳科学の専門家へアプローチし、5年かけて開発

 ヴィーゾーンの開発には、KDDI、NTTデータ、東京大学などが関わっており、メンバーには脳科学・ニューロテクノロジー分野の専門家として広く知られるNTTデータ経営研究所、兼ヴィー スタイル CNTO(最高脳科学技術責任者)の茨木拓也(いばらき・たくや)氏、成瀬康(なるせ・やすし)氏も含まれる。

 今でこそ、業界内から注目される一大プロジェクトに発展しているが、発起人である今村氏が構想を練り始めた5年前は、単なる机上の空論だったという。当時、今村氏はヴィースタイルを創業したばかり。ミュージシャンとハードウェア関連職の経歴を生かし、「音楽」と「脳科学」を掛け合わせた“人生を豊かにするデバイス”を思い描いたが、それをカタチにする術は持っていなかった。

 「当時、脳科学の知識を求めて会いに行ったのが、当社の技術顧問である成瀬氏です。最初は『変なヤツが来たな』という感じだったと思いますが、折を見て話をうかがうなかで、いい関係を築くことができました。ようやくプロトタイプが完成した昨年には、業界内で知らない人はいないほど有名な茨木氏がジョイン。描いたイメージを具現化することがかないました」

脳科学の領域を専門とする成瀬氏、茨木氏はヴィースタイルの技術を支えている

 茨木氏は、NTTデータ経営研究所に所属しながら、初めて兼業でベンチャー企業にジョインしたそうだ。今村氏は「茨木氏は、サイエンスとビジネスの両面に知見を持つ稀有(けう)な人材」と絶大の信頼を寄せる。

 クラウドファンディングでローンチするまでに5年の歳月を要したが、市場を先読みしたようなアイデアと今村氏をはじめとしたメンバーの熱意が、製品化への原動力になったのではないだろうか。

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