コンビニエンスウェアは現在70アイテムを展開。その中でもひときわ話題となっている商品が、先述した「ラインソックス」だ。ありそうでなかったファミマの靴下。吉村氏は「共同開発した落合氏ならではのこだわりがあった」と話す。
「毎日ロゴを見ているファミマ社員にとって、この柄を展開することはある種の挑戦で、社内では「ベーシックな商品しか売れないのでは」といった声もあった。しかし落合氏は、『3本線でファミマだとイメージできるデザインはカルチャーに近く、それだけでアートになっている』との感覚を強く持っていた。議論を交わす中で、ブランドを象徴する商品として展開することになった」
同社の「挑戦」だったラインソックスはSNSを中心に話題に。20年に関西エリアで先行発売した際には「ファミマがファミマ柄の靴下売ってるの良すぎる」というツイートに5万件以上のいいねがついた。
全国展開以降は、一時品切れする店も相次ぎ「数軒回ってやっと発見した」といった声や、中高生を中心に友人と「おそろいコーデ」を楽しむ写真が多く掲載されている。インスタグラムでは「#ファミマソックス」とタグ付けした写真が3700件以上投稿され、TikTokでは500万回以上再生されている。
そのような影響もあって、インナーの購買層に変化が出てきている。先述した通り、これまでは金曜、土曜の深夜に40〜50代の男性の購入率が高かったが、インナーソックスなどは土日の売り上げが大きく、より若い層の購入が目立つようになった。
また、アウターTシャツも、テレワークの普及によるビジネスウェアのカジュアル化が後押しし、売り上げは好調だ。SNSで話題となった商品や世界的デザイナーのアイテムが仕事や学校帰りに立ち寄るファミマで買える。このような利便性もあって、「何でもいいからその場しのぎに買う」ものから「欲しい商品だから買う」といった流れに変化しつつあるようだ。
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