伝えたいことがきちんと伝わるために、送り手はいろいろなことに留意せねばなりません。
第一に(1)「送る内容:メッセージ」をしっかりと持つこと。送り手のメッセージがそもそも曖昧で弱くては相手にしっかり伝わりません。
そして当然必要なのが(2)「発信する」技術。文章力、話術、描写力、表情・動作の付け方など、いわゆるコミュニケーション能力をうまく使わねばなりません。本稿で言う「第1の創造」を豊かに行うことです。
さらに送り手は、(4)「チャネル・メディア」を適切に選び取ることも必要です。
また送り手は、受け手からの(6)「フィードバック」に感覚を研ぎ澄ませなくてはなりません。フィードバックの状況によって発信・表現方法をたくみに変えていくことが求められるからです。
そして最後に(7)「文脈」。送り手と受け手の下地に流れる文脈を十分に把握し、生かすことが大切です。文脈を無視すれば、せっかく凝らせたコミュニケーション技法も効果が出ません。
このように伝えたいことが伝わるために、送り手がやるべきことはたくさんあります。しかし、どれだけ送り手が「伝える」ことに専念しても、最終的に伝えたかったことがきちんと伝わるかどうか……それはわかりません。なぜなら、発信された内容の把握・再生成、すなわち本稿で言う「第2の創造」は受け手に委ねられ、受け手の内で起こるからです。
2者間のコミュニケーションにおける「伝える/伝わる」の面白いところは、このように2つの創造を越えねばならないところです。第1に送り手の「発信・表現」という創造があり、第2に受け手の「受信・読解」という創造があります。
「オレが若いころは」「マネジメント=管理」と思っている上司が、ダメダメな理由
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのか
「安いニッポン」の本当の恐ろしさとは何か 「貧しくなること」ではないCopyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング