じゃりじゃり、ふわふわ、とろとろ 「食感」から家庭用かき氷機のトレンドを読み解く3分インタビュー(1/2 ページ)

» 2021年08月18日 10時00分 公開
[熊谷紗希ITmedia]

 夏の風物詩といえば、何を思い浮かべるだろうか。お祭り、花火大会、プールや海水浴など夏は屋外イベントが盛りだくさんの季節だ。しかし、今年も長引く新型コロナウイルスの影響で多くの人がステイホームを強いられている。「仕方がないので、せめて家の中で夏を感じたい!」となれば、かき氷の出番ではないだろうか。

夏の風物詩のかき氷(画像提供:ゲッティイメージズ)

 近年はかき氷専門店も多く、ふわふわ、とろとろのかき氷は夏の定番スイーツとなってきた。一方、家で食べるかき氷は固い氷をガリガリ削った「じゃりじゃり」を想像する人が多いのではないか。

 実は家庭用かき氷機も大幅な進化を遂げているのだ。2016年の発売から累計販売台数70万台を突破した家庭用かき氷機「電動ふわふわとろ雪かき氷器」(以下、とろ雪 価格は5478円)を販売するドウシシャの担当者に、家庭用かき氷機のトレンドを聞いた。

家庭用かき氷機のトレンドはどう変化したの?

――家庭用かき氷機が進化しているようなのですが、そもそもかき氷のトレンドはどのように変化してきたのでしょうか?

担当者: かき氷のトレンドは食感で考えると分かりやすいです。食感は「じゃりじゃり」「ふわふわ」「とろとろ」の流れで進化してきました。まず、多くの人が馴染み深いのはじゃりじゃりだと思います。水を凍らせた水氷を粗く削った氷の食感です。次に出てきたのはふわふわ。こちらも水氷を使いますが、氷を薄く削ることで柔らかい雪のような食感を作り出しています。今、多くの人に支持されているのがとろとろです。とろとろは水氷ではなく、ジュースなどを凍らせた味付き氷を使用している点が特徴です。

 15年に台湾発祥のかき氷店「アイスモンスター」がとろとろの概念を日本に持ち込みました。それまで日本のかき氷はほとんど変化しておらず、「子どもが夏に食べるものという印象が強かった」とわれわれは考えています

もちろん、当時から専門店などはありましたが、浸透しているとは言いがたい状況でした。

 アイスモンスターが海外で主流のとろとろを持ち込み、店舗を構えたことで、「かき氷は高いお金を払って大人がお店で食べるもの」という考えが浸透していきました。その流れで、じゃりじゃり、ふわふわかき氷にも再度注目が集まるようになりました。

 そして当時、アイスモンスターは連日行列で入店困難だったことから、かき氷専門店に人が流れはじめました。これは、家庭用かき氷機でもじゃりじゃり、ふわふわ以外の食感が生まれるターニングポイントになったと考えています。

アイスモンスターはとろとろかき氷の概念を持ち込んだ(画像:ゲッティイメージズ)

――ドウシシャの簡単に台湾風かき氷が作れる「とろ雪」も発売6年で70万台突破とのことですが、かき氷ブームの波に乗ったのが大きかったのでしょうか?

担当者: 一つの要因ではあると思います。とろ雪は16年に発売してからマイナーチェンジを繰り返し、現在6世代目となります。とろ雪は味付け氷を削れる点が特徴ですが、もちろん水氷も削れます。また、20年のリニューアルでは刃をバージョンアップさせ、冷凍フルーツも削れる仕様にしました。

 刃の高さを調節することで、じゃりじゃり、ふわふわ、とろとろ、全ての食感を実現しました。家庭用かき氷機の販売時期は3〜8月と短いですが多くの方にご購入いただいております。

ドウシシャのとろ雪はじゃりじゃり、ふわふわ、とろとろ3パターンの食感を実現する(画像提供:ドウシシャ)
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