――ふわふわ、とろとろがあれば、じゃりじゃりはいらないような気がするのですが、ニーズはあるのでしょうか?
担当者: とろ雪にじゃりじゃりをあえて残した理由としては「食感の違いを楽しんでもらいたい」という思いがあります。じゃりじゃりは「氷」を食べている感が、ふわふわは「雪」を食べている感が強いです。どちらも楽しめるような仕様にしました。
削ったときの見た目も大きく違います。ふわふわは山のかたちになりますが、じゃりじゃりは氷の粒が大きく重いので、山にするのは難しいです。
――なるほど。確かにじゃりじゃりも懐かしいので両方味わえるといいですね。ふわふわ食感もとろとろと同様に直近のブームだと思っていたのですが、いつごろから食べられるようになったのでしょうか?
担当者: 弊社がふわふわに削れるかき氷機の開発を始めたのは13年ごろです。前提として、かき氷市場はとてもニッチで革新的な商品を開発したとしても、顧客からの反応が得られにくい業界です。
そのため、家庭用かき氷機も「とりあえず削れればいい」「夏に子どもが楽しむ風物詩」が業界の”当たり前”だったので、ユーザーの満足度やデザイン性をそこまで追い求めていませんでした。
ただ、毎年似たような商品を販売しているため、かき氷市場も落ち着いてきて「売れ行きがよくない」という話が出てきました。そこで当時は業務用だった「ふわふわ」を家庭に持ち込む取り組みを始めました。
業務用かき氷機は家庭用に使うには大きく重く、収納も大変で手軽さに欠けていました。手軽に買える家庭用のふわふわかき氷機を作ろうということで10年の前半に着手しました。そして誕生したのが先ほどのとろ雪です。そこから改良を重ね、ドウシシャ史上もっともふわふわな氷が作れる「電動わた雪かき氷器」(価格は1万780円)も開発しました。
――今後、家庭用かき氷機のトレンドはどのように変わっていきそうですか?
担当者: 食感に大きな変化はないと考えています。代わりにキャンプやバーベキューなど使われるシーンが室内から屋外に広がっていくと思います。
まだまだかき氷機は「一家に一台」という商品ではありません。かき氷機は3月くらいから家電量販店などに並びはじめるため、夏前からかき氷のことを思い出してもらえるよう今後も業界を盛り上げていきたいと思います。
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