ママロの最大の武器は、個人的に「データ」を取得できることだと思っている。例えば、化粧品売り場に設置すると、どういった結果が出るのか。化粧品売り場といえば、多くの百貨店は入口付近の最も目立つところに構えているが、そうしたところに授乳室はない(少なくとも筆者は見たことがない)。
一等地中の一等地に授乳室を設置することによって、利用者の滞在時間が長くなるかもしれない。滞在時間が長くなることによって、化粧品の売り上げにどのような影響があるのか。やってみなければ、分からないことができる。そして、データを集めて、それを分析することができる。そこに、この箱型授乳室の強みがあるのではないだろうか。
また、7月に発表した「ママロ2」では、子どもを寝かせると自動で体重を計測できるようにした。専用のアプリと連動させることで、子どもの成長を把握できるようにしたわけだが、こうした試みはどんどん増やすことができる。例えば、利用することでお母さんのストレスはどのくらい軽減できたのかなど、テクロノロジーとハードを組み合わせて、さまざまなことを試すことができるのだ。
最後に、今後の設置台数は? と聞いたところ「2〜3年後に3000〜5000台ほど設置したいですね」(長谷川さん)とのこと。現状、既存の授乳室は1万8000カ所ほどあるので、その数字を上回ることができれば、どういったことになるだろうか。
出かけるときに、わざわざ「トイレはあるのかなあ」と不安を感じて、場所を調べることはほとんどない。授乳室もトイレと同じような感覚で、「事前に探すことをしない」お母さんが増えれば、世の中がちょっとよくなりそうだ。
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