――先ほど吉田さんが話されていた、生ごみをたい肥にする機械「コンポストプラント」とはどういうものなのでしょうか?
片岡さん: 当ホテルの1階に機械があるので、お見せしながら説明しますね。
コンポストプラントは「加熱処理」「乾燥」「熟成」「異物除去」という流れで動いています。まず、ホテルの厨房などで出た生ごみを集めます。最初の機械で、生ごみをかき混ぜながら120度の蒸気で一気に「加熱処理」していきます。
そうすることで、殺菌、消毒された状態を作ります。そこから「乾燥」「熟成」を通してたい肥に。「異物除去」ののちに提携農家に買い取っていただきます。提携農家だけでなく、当ホテルのローズガーデンや庭園の土に混ぜることもしています。
――すごく手間がかかっているように感じます。1ホテルがここまで投資する意味があるのでしょうか?
片岡さん: もちろん、ごみの量が少なければ東京のごみ処理場に依頼したほうが安く済むと思います。しかし、当ホテルでは1日に5トンもの生ごみが出ます。この規模を自社でやるからこそ、コスパ面でも意味が出てくるのです。
――新型コロナウイルスの影響で経済活動がストップしたことが、環境面ではプラスに働いたという研究結果が出ています。ホテルニューオータニとして今後、環境問題にどのように取り組んでいきたいと考えていますか?
当ホテルは、まだサステナブルが話題になる30年以上前から課題意識を持ってさまざまな環境問題に取り組んでいます。その結果、19年度の会社全体の二酸化炭素排出量は、東京都が設定する基準排出量(大規模事業所の削減目標量)の約29%減を達成しました。
今後もお客様の快適な滞在を担保しながら地球環境に配慮した取り組みを推進していければと思っています。
――すみません。非常に言いにくいのですが、サステナブルな取り組みを聞きに来たにもかかわらず、カクテルを飲み残したままだと気付きました……。
片岡さん: ああ、大丈夫ですよ(笑) コンポストプラントに行って、またカクテルに生まれ変わるので。
(終わり)
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