名前:清水弘樹さん(31歳)
業種:広告業界
職種:マーケティング
清水さんは、19年のG検定合格後、新たなビジネスチャンスが生まれました。
広告会社で家電量販店や大学のマーケティング支援をしている清水さんは、それまで業務上でAIに関わることはありませんでした。AIについて学ぶきっかけは、日本ディープラーニング協会のセミナーを受講したこと。Society5.0や第4次産業革命について理解を深めるなかで、今後、AIが必須スキルになると感じ、受験を決めたといいます。
「今ならまだAIが分かる文系職人材は少ないので、ビジネスチャンスにつながるのではないかという期待がありました」(清水さん)
3カ月の勉強の末、清水さんは検定に合格。合格後すぐに変化があったといいます。清水さんとともに検定に合格した数人とともに、有志でAI活用のビジネス推進プロジェクトを立ち上げることになったのです。そして、得意先とAIを実装する外部パートナーとの間に立ち、マーケティング課題とAIでできることの橋渡しを行う活動につながったそうです。
冒頭でも触れたように、AIによって仕事がなくなるのではないか、という気持ちを抱くのもうなずけます。ただ、残念ながらそれ自体は避けられません。
そして、過去の歴史に目を向けてみると、新しい技術が生まれたとき、いくつかの職種がなくなる一方で、新しい技術を使う新たな仕事が誕生しています。AIでも同様のことが起こる。だから心配する必要はないのです。
心配すべきなのは、自分の職種は大丈夫だろうかと、今の仕事に執着して、身動きが取れなくなってしまうこと。AI失職を恐れるならば、むしろAI職に就くための準備を早めに始めることが大事なのです。
AIやディープラーニングの発展はとても早く、2年前の技術が既に古いものになりつつあります。小中学校の勉強が分からないと、高校の勉強についていけなくなるように、AIやディープラーニングも基礎がとても大切です。早期に基礎を学び、更新されていく技術をキャッチアップできる状態を目指す──それこそが、不安から脱する一歩となり、チャンスを生む一歩になると、筆者は考えています。
日本ディープラーニング協会人材育成委員メンバー。株式会社ZOZOテクノロジーズ VP of AI driven businessとしてAIプロジェクトの推進をする傍ら、様々な企業のAI顧問やアドバイザーを務め、AI人材の育成にも従事。著書に『文系AI人材になる(東洋経済新報社)』や『管理職はいらない AI時代のシン・キャリア(SB新書)』。
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