「歯ぐきが気持ち悪い」 ディスられていたガリガリ君が「国民的キャラ」になれたワケ今のガリガリ君、実は2代目(3/5 ページ)

» 2021年09月18日 09時00分 公開
[熊谷紗希ITmedia]

サッカー日本代表とのコラボで「国民的キャラ」に王手

 10年、FIFA ワールドカップ南アフリカ大会でガリガリ君はSAMURAI BLUEと初コラボをすることに。アディダスの「サッカー日本代表ユニフォーム」をまとい、背番号は当時の販売価格にちなんだ60に。それ以降、ソーダ味は継続的にサッカー日本代表とコラボしており、21年6月にもおなじみのユニフォームを着用したガリガリ君が店頭に並んだ。

 サッカー日本代表の試合は国民的なイベントとして取り上げられ、当時の視聴率は40〜50%を誇っていた。そんなイベントとのコラボを通じて老若男女問わず認知を獲得していくことに成功した。

サッカー日本代表とコラボ(画像:リリースより)

 また、生産量を増やすためにガリガリ君専用の工場を埼玉県本庄市に建設。工場見学を開始したところ、予約が殺到したという。国民の注目が集まるタイミングでのコラボを通じて認知を獲得し、10年に年間販売本数3億本を突破した。

コーンポタージュで話題沸騰

 ガリガリ君のフレーバーで最も話題を呼んだものといえば「コーンポタージュ」ではないだろうか。当時、販売本数が増加したことからメーカーとしては、通常の味のガリガリ君の「安定供給」を第一優先としてしまっていた。

 「新しい味に挑戦することもできていませんでした。『お客さんからはガリガリ君にはもっと新しいことを期待しているのに』と言われ、プロジェクトチームを発足し、新フレーバー開発にチャレンジしました」(赤城乳業マーケティング部岡本秀幸氏)

 そこで誕生したのが、「ガリガリ君リッチ コーンポタージュ味」。プロジェクトチーム内での話し合いを通じて「ガリガリ君は、ご褒美ではなくコミュニケーションツール」「ガリガリ君は、駄菓子屋のイメージ」などガリガリ君の輪郭がはっきりしてきたという。

ガリガリ君リッチ コーンポタージュ(画像:赤城乳業より)

 当時、駄菓子屋ではコーンポタージュ味のお菓子が人気だった。また、バラエティ番組で熱々のコーンポタージュを飲む企画を目にして「本来熱いものを冷たくするというギャップが面白そうだな」と思いつき、12年に商品化に至った。発売直後からSNSなどで大きな話題に。1、2カ月分用意していた在庫は3日で切れそうになり、販売を休止したという。

 同年の12月、3億本突破から約2年で4億本を突破した。13年春には満を持してコーンポタージュ味を再販。初回販売時に手に入れられなかった人も多かったことから、大きな話題となった。

 「コーンポタージュ再販の影響で13年は4億5700万本と、最も売れた年になりました。『次はどんなフレーバーを出してくるのか?』と関心を持ってくださる方が増えました」(岡本氏)

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