商品を購入する場合、お店に行って買うか、ネットで買うか――。大きくわけてこの2つのパターンがあるわけだが、アナログとデジタルを融合させた実証実験の店が登場したことをご存じだろうか。場所は品川駅港南口から徒歩3分ほどのところにある、コクヨの「THE CAMPUS SHOP」だ。
「アナログとデジタルを融合させた」と言われても、ピンとこない人も多いと思うので、店内にどんな仕掛けが施されているのか、簡単に紹介しよう。店の中に入ると、まずタブレット端末を渡される。端末にインストールされているアプリ「AR MAP ソリューション」(ソニーセミコンダクタソリューションズが提供)を起動すれば、店内のARコンテンツが表示されるといった仕組みである。
例えば、商品が並んでいる棚に近づくと、その商品にまつわる動画が映し出される。で、「これほしいなあ」と思えば、ECサイトと連動しているので、そこから注文して自宅に届けることができるのだ。
このように紹介しても、消費者目線に立てば「なーんだ。それだけなのね」と思われたかもしれないが、スタッフ目線に立つと話が違ってくる。文具売り場にはたくさんの商品が並んでいるが、店のスタッフがすべての商品を詳しく知っているわけではない。お客からの質問に対して、「ちょっと調べますね。お待ちください(汗)」といった対応もしばしば。しかし、こうしたツールを使えば、商品情報が詳しく掲載されているので、「うまく答えられなかったらどうしよう」といった不安も払しょくされるわけだ。
また、スペースの関係上、陳列できない商品をバックヤードまで取りに行ったり、在庫がない商品を発注して後日受け渡しをしたり、そうしたオペレーションを軽減できることも大きい。
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