今年4月にサントリーが発売した「パーフェクトサントリービール」。発売から3カ月で年間計画の5割を達成する好調な滑り出しを見せている。
2020年10月に登場したキリンビールの「一番搾り 糖質ゼロ」は日本初の糖質ゼロビールとして大きな注目を集めた。
それから半年後の21年4月、サントリーが送り出した糖質ゼロビールがパーフェクトサントリービールだ。
銘柄を隠したブラインドテストでは、糖質ゼロではない通常のビールと比較しても「おいしい」という評価を集めた。7段階評価では4点以上をつけた人が74%。
「糖質ゼロという機能の面だけでなく、味の面でも絶対に妥協しないという姿勢が、これだけの高評価につながりました」
そう話すのはブランドマネージャーの稲垣亜梨沙氏だ。
実は、パーフェクトサントリービールは企画から発売まで5年もの月日を費やしている。1年で発売にこぎつけるものもあるなかで、異例の長期開発となった。
発端となったのは「我慢や妥協をせずとも、心の底から楽しめるおいしいビールを作りたい」という、ある若手醸造家の思いだ。
昨今、盛んにいわれる「ビール離れ」だが、健康意識の高まりがその要因のひとつだとされる。「ビールは好きだが、太りたくないからほかのお酒に変えた」「本当はもうちょっと飲みたいけど、太るかもと思うと我慢している」――そんな声がサントリーにも寄せられていた。
その声に応えつつ、ビール好きを満足させられるものを作りたい。目標はあくまでも「新しい機能系ビール」ではなく、「1日の終わりにぐっと飲んで、解放されるような気分を最大化できる、おいしいビール」。
糖質ゼロビールは目標ではなく、結果だったのだ。
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