商品名に「パーフェクト」ってどうなの? 「パーフェクトサントリービール」担当者が社内を説得できた理由仕掛け人を直撃(3/4 ページ)

» 2021年09月29日 05時00分 公開
[唐仁原俊博ITmedia]

コロナ禍で健康意識は高まっている

 何百回と試験醸造を繰り返した醸造チームもほっと胸をなでおろしていることだろうが、5年前には誰一人想像もしていなかったことがある。コロナ禍という未曾有の事態での販売開始だ。

 機能系ビール市場に伸びしろがあることは予想されていた。しかし、発泡酒や新ジャンルにおいて、糖質ゼロやプリン体ゼロが相次いで発売されたものの、15年をピークに前年割れが続いていた。

 それが20年、コロナ禍を機に再び需要増に転じたのだ。

 在宅勤務になり、外出そのものも自粛要請を受けるなかで、運動不足を感じる人が増えた。また、「普段からできることはやっておこう」という意識も以前より高まった。

サントリーが分析する機能系ビール市場のポテンシャル(提供:サントリー)

 それに加えて、20年10月にはビールが減税、発泡酒は据え置き、新ジャンルが増税という酒税改正があった。

 2000年前後、各メーカーが発泡酒にチカラを入れ始めてからすでに20年。発泡酒や新ジャンルを、「ビールの下位互換」として捉えるのではなく、「軽くて飲みやすい」「機能系を飲みたいから」と愛好する人も増えていた。

 とはいえ「本当はビールが好きだけど……」という人もいた。減税と、糖質ゼロビールの登場、そして販売好調の報からは「待ってました!」というビール党たちの声が聞こえてきそうだ。

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