ゴジユウニが出店先に選んだ「蒲田」は東京駅からJR京浜東北線で21分。同線以外に、東急池上線や東急多摩川線が乗り入れる。JR東日本が発表した20年の乗降客数ランキングによると、東京の人気駅「恵比寿」「吉祥寺」などをおさえて19位にランクインした。
駅周辺は、商業施設や飲食店が充実していることに加え、東京工科大学や大学病院なども存在する。新生活を始める大学生や単身赴任のビジネスパーソン、飲食業を営む人などゴジユウニのターゲットとなるお客が多く暮らす街が蒲田なのだ。
価格設定という弱点やラインアップの少なさなど、確かに他業界の無人店と比較して課題は見られるものの、販売は好調だという。オープン当初は月1回程度と予測していた製品の搬入も、現在は週2で対応しないと間に合わない状況だ。
「毎月のコストは、家電の仕入れと光熱費、決済什器のレンタル代、家賃で合計20万円ほど。既存のリサイクルショップは、1番小さい店舗でも人件費だけで約50万円はかかります。最少のコストで運営しており、オープン以降の月間の平均売り上げは40万〜50万円に上ります」(山口氏)
今後の展開について山口氏は、「ゴジユウニ単体での売り上げが60万円に達したら、2店舗目の開店も検討したいと思います。また、当社はSDGsに関わる事業者です。経済産業省から事業推進用の支援金が受け取れた場合には、出店のハードルも下がると考えています」と話した。
家電は、決して安い買い物ではない。「製品情報やスペックをしっかりと理解し、納得してから購入したい」というニーズがあるモノを、「無人販売」の形態に当てはめる意外性から「ゴジユウニ」は誕生した。
そんな新しいビジネスを展開する山口氏の姿を読者の皆さんにもぜひご紹介したいのだが、申し訳ない。
「テレビでゴジユウニが放送されたときに、視聴者から『ドライヤーを販売しているのに、社長はドライヤーを使ってるような髪型に見えない』とディスられたんですよ。それから顔出しは控えるようにしていて(笑)」
残念ながら写真撮影を断られてしまった。
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