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10月1日 内定辞退したい学生と阻止したい人事の攻防毎年起きている(1/2 ページ)

» 2021年10月06日 08時00分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた):

株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。


 10月1日の内定式といえばもはや伝統季節行事。昭和の人なら、ダイエーの故・中内会長の英語スピーチなども覚えてないでしょうか? 各社の内定式はニュースの定番として今年も放映されましたが、実は毎年、その陰で攻防戦があります。内定学生と採用企業の戦いです。それは大学教員を初めて15年、毎年起こっています。

 内々定は早ければ年明け早々に出た人もいますが、「内定」は10月1日が普通です。

 「どっちだって同じだろ?」と思うでしょうし、実効性からみればほぼ同じというのは間違いではありません。では何が違うのでしょう。

 拘束力が違います。いや、内々定だって、断る時すごい怒られた、文句やイヤミ言われたという人もいるでしょう。「怒る」がどんな行為かにもよりますが、暴力は論外で刑法犯罪。暴言や中傷もハラスメントになります。ただ声のトーンが恐かった、くらいだと犯罪証明は無理です。イヤミ程度ではやはり犯罪としての立証はできないでしょう。

 一方企業側は、内々定や内定受諾したにもかかわらず、それを一方的に誓約書提出後に反故にされたらたまりません。一方的な契約破棄など許される訳もなく、ふざけるな! という怒りがわくのも当然です。

 その結果、中には「今から辞退なんて許せない。損害賠償請求で訴えてやる!」という企業も出てきます。(15年間毎年、この手の話を学生から聞きます)

 ちなみに私は人事コンサルタントの業務として20年近く「人事相談」を行っています。学生ではなく、企業の人事の方からの相談に専門家としてお答えするもので、登録会員企業以外の一般の人は内容を見ることができません。

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