当然のことながら、そうなった最大の理由はコロナ危機である。コロナ危機は、多くの人にとって従来の価値観を変えるきっかけになっている。
不特定多数の人と接触する機会が多い職種の人は、感染症のような事態が発生した際のリスクが高いという現実を思い知らされる結果となった。十分な対策を講じた会社とそうでない会社の差がハッキリ出てしまったこともあり、会社の経営方針に疑問を持った人も少なくないだろう。
米国は日本と比較すると圧倒的にテレワークが普及しているが、それでもテレワークの方針は会社によってさまざまである。デジタルとの親和性が高い若年層ビジネスパーソンの場合、以前と同じようにオフィスで勤務することについて嫌悪感を覚える人も増えているという。
また、身近な人から感染者が出た人などは、家族や友人との時間をもっと大切にしたいと考え始めている。米国では数年前から過剰な競争社会を忌避し、一定の金額を貯めた後は、資産運用と好きな仕事だけをして暮らす「FIRE」という運動が活発である。コロナ危機はこうした動きを加速させた可能性が高い。
これは米国での話だが、コロナによる影響は、程度の違いこそあれ各国共通であり、日本でも同じ感覚を持ったビジネスパーソンも多いはずだ。
では、多くのビジネスパーソンが仕事に対する価値観を変えた今、企業社会はどう変化していくのだろうか。一部では、こうした価値観の変化はコロナという特殊事情が生み出した一時的なものであり、一定の時間が経過すれば元の社会に戻るとの意見もある。だが筆者はそうではないと考えている。その理由はビジネスのAI化など、従来にはない変化が起こっており、コロナ後の社会は今とは違った姿になる可能性が高いからである。
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こんなに頑張っているのに、なぜ日本だけGDPが回復しないのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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