一方、一律50円化を進めるに当たって、減収分の穴埋めが長期的な課題となる。同社によると、鉄道運賃の収入(2018年度)に占める小児運賃の割合は0.7%。一律50円とすることで約2億5000万円の減収が生じるという。
穴埋めの鍵となるのが、親子利用の促進だ。同社は19年6月から20年10月にかけて、小児運賃を100円として、1日全線乗り放題とするキャンペーンを実施。その後のアンケート調査で、利用者の7割が「小児運賃が安くなることで小田急を利用し、子どもに同行した」と回答。また、親子で利用した9割以上が小田急の沿線で買い物し、そのうち7割が小田急グループの関係施設で買い物をしていたという。
同社は、親子利用を促進するイベントやキャンペーンを強化することで、減収分を補う考え。また、20年度の利用者データでは、大人運賃で乗車する利用者の9割以上がICカードを利用しているのに対し、小児運賃の利用者のIC利用率は約7割にとどまる。「切符の発行自体にもコストがかかる」(同社)といい、ICの利用促進とともにコスト削減も図る。
同社は「親子で居住地以外の駅も利用してもらい、子どもたちの見聞を広げることに小田急を活用してほしい。数世代先もユーザーになってもらえるような取り組みを今後も推進していく」とした。
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