商品開発チーム入れ替え→限定メニュー相互に考案 串カツ田中と鳥貴族 「居酒屋業界の起爆剤に」11月末まで限定販売(2/2 ページ)

» 2021年11月08日 22時12分 公開
[樋口隆充ITmedia]
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串カツ田中がコラボを打診、苦労も

 コラボのきっかけは、串カツ田中からの提案だ。居酒屋業界を盛り上げるため、串カツと焼き鳥という同じ“串もの”同士で居酒屋チェーンという共通点や、企業理念が近いことなどから打診し、鳥貴族側が快諾したという。当初は串にちなみ、9月4日の開始に向け、準備を進めていたものの、緊急事態宣言の延長で白紙に。宣言解除を受け「串が4本並んでいるように見える」との理由から、11月11日開始と決めた。

 メニュー考案に当たっては、相互の店舗を視察し、調理機器や調理オペレーションを確認した他、使用できる材料などを可能な限り情報共有した。

 メニューを考案する上で、両社の違いが浮き彫りになり、苦労することもあったという。例えば、焼き鳥は焼き台を使うのに対し、串カツはフライヤーを使うため、調理工程そのものが異なる。また、鳥貴族は全商品が均一価格であることから、串カツ田中は「価格に合わせて原価を想定することはもちろん、逆に原価を意識しすぎて見た目がさびしくならないように開発した」とメニュー開発の苦労を明かした。

photo 串カツ田中の担当者 永井あゆ美さん

 これに対し、鳥貴族は「(普段は均一価格を考えて開発しているが)価格の制約がなくなったことで、より柔軟に幅広い視点での開発が求められた」とした一方で「糖質オフの衣の使用や、串カツ職人の資格制度を設けている点など、串カツへのこだわりを感じることができ、勉強になった」とし、コラボによる成果も強調した。

photo 鳥貴族の中山由香里商品開発課長

 今後も同様の取り組みを続けるかについては未定。将来的な資本提携についても、両社は明確に否定した。

 「緊急事態宣言が明け、ようやく外食産業にも活躍の機会がいただけた。ともに外食を盛り上げて、世の中に笑顔と明るさが戻ってくるよう頑張っていきたい」(串カツ田中の貫社長)

 「アフターコロナでは、居酒屋というものが従来のように必要にされ、夜の街を明るく元気にできる存在だとコラボをきっかけに改めて認識してもらいたい」(鳥貴族ホールディングスの大倉忠司社長)

photo オンラインで会見に出席した鳥貴族ホールディングスの大倉忠司社長
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