ローソンストア100のPB「バリューライン」は、信頼するメーカーと共同開発した、小分け適量サイズの100円均一(税別)のブランド。
商品は、カット野菜などの野菜と果物、ソーセージなどの肉、チーズなどのディリー食品、加工食品、冷凍食品、パン、デザート、アイス、調味料、菓子、飲み物、酒、雑貨と幅広く、約800品目に及ぶ。
ローソンストア100は全国に671店(21年8月末時点)あり、住宅街立地が主流。男女比は55:45で、男性がやや多い。そして、50代以上の顧客が4割と、普通のコンビニよりも年齢層が高い人が来店する特徴を持つ。そこで「献立応援コンビニ」というコンセプトを考案し、それに沿った商品を発売している。
例えば、カット野菜は定番のベストセラーだが、天候不順で野菜の価格が高騰した9月には特によく売れた。「VL ざく切り白菜(220g)」が前月比119%、「VL さく切りキャベツ(220g)」が同116%、「VL カットレタス(105g)」が同131%、などとなった。
バリューラインのカット野菜は、「キャベツ野菜炒め」なども分量が多く、一般的な野菜炒め用カット野菜に比べて3〜5割は多いように見える。その面でも献立応援になっている。
また、「VL 強炭酸水(1.3L)」は、酒の割材として開発され、差別化商品として売ってきたが、近年はのど越しのさわやかさが受けて、そのまま飲む人が増えている。
その他、小分けされたバター、キムチ、たっぶりサイズ(210グラム)の果物入りゼリーをそろえる。さらにた、あたりめといった酒のおつまみが、ちょっと足りないと思う時に、100円均一で販売されているのが支持されている。冷凍食品では、200グラム入ったチャーハン、エビピラフ、ドライカレーなどの米飯が販売されている。
このように、トップバリュ、みなさまのお墨付き、バリューラインといった低価格PBは、単に安いのでなく、信頼できるメーカーと長期的な契約を結んで商品開発を進め、そのチェーンでしか売っていない魅力的な商品を続々と生み出している。各チェーンが切磋琢磨して、日本のものづくりのレベルをさらに向上させていってほしい。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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