安いだけじゃない 「トップバリュ」「みなさまのお墨付き」の隠れたヒット商品とは長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)

» 2021年11月16日 10時10分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

フォークを付けないカップ麺で85円

 トップバリュは、食品カテゴリーだけでも約3800品目。売り上げ8414億円に達するメガブランドだ。実はイオンは、食品メーカー・卸としても大手企業である。

 取り扱い企業は、イオンリテール、イオン九州、イオン北海道などとといったイオン系列のGMS(総合スーパー)をはじめ、マックスバリュー5社、いなげや、ベルク、マルエツ、ダイエー、ビッグ・エーなどのSM(スーパーマーケット)やDS(ディスカウントストア)もある。さらに、小型スーパーのまいばすけっと、コンビニのミニストップ、ウエルシアホールディングス、クスリのアオキホールディングスのようなドラッグストアなど、計33社に及んでいる。

 ただし、各取り扱い企業、店舗によっても商品ラインアップは異なる。

 イオンがはじめてPBに取り組んだのは、1974年。メーカーのカップラーメン値上げをきっかけに「ジェーカップ」が誕生した。100円以上の商品が主流だったが、それまで当たり前だったフォークを付けずに85円という低価格を実現。「良い商品をより安く提供する」というイオンの企業姿勢を体現した。75年から流通経路を短縮し、無駄を省いたお値打ち品PBを続々と販売した。

イオンのPB第一号、ジェーカップ(出所:リリース)

 トップバリュの前身である、「トップバリュー」ブランドが生まれたのは、イオンの前身ジャスコ誕生25周年となる1994年。トップバリュー(TOPVALU)は、TOP(最高)とVALUE(価値)を組み合わせた造語で、圧倒的な低価格と品質を両立させるブランドを目指した。

 2000年には、「MOTHER FOREST・生活品質の森」をイメージした新しいブランドマークを制定するとともに、新生トップバリュに刷新。

 14年より、「トップバリュ」「トップバリュ グリーンアイ」「トップバリュ ベストプライス」「トップバリュ セレクト」の4ブランド体制となっている。

 手短にいうと、トップバリュは生活品質向上、トップバリュ グリーンアイは安全・安心、トップバリュ ベストプライスは満足品質・低価格、トップバリュ セレクトはこだわりぬいた最上質をコンセプトとしている。顧客のライフスタイルやその日の気分によって選べるようにしている。

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