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» 2021年11月24日 08時00分 公開

「日本を代表するコンテンツ」温泉むすめが炎上! 美少女萌えとタバコ規制の微妙な関係スピン経済の歩き方(4/7 ページ)

[窪田順生,ITmedia]

国際社会では通用しない

 この構図とまるっきり同じなのが、実は「タバコ」だ。かつて愛煙家の皆さんは、喫茶店や駅のホームで好きなとき、好きなだけプカプカできた。会社でも一服するたびわざわざ喫煙所に行く必要がなかった。

 そこで、煙いしクサイし、健康に悪いから遠慮してよ、と声をあげる人たちが現れると、「禁煙ファシズムだ!」と怒り、心の狭い人間だと徹底的に批判をした。「海外では続々と規制されているよ」という話をすると、「ここは日本だ! 嫌なら出ていけ!」とナショナリズムを引っ張り出して逆ギレした。

 ナチスドイツが禁煙政策を進めたことと重ねて、個人の自由を制限する危険人物扱いにしたのだ。また、過激な愛煙家の中には、受動喫煙防止を訴える国会議員のもとに「殺人予告」の電話をする人たちもいた。

タバコ規制と温泉むすめの関係

 なぜそんなことをしたのかというと、狭い了見の嫌煙家を批判・攻撃して完膚なきまでに叩きのめせば、「タバコを文化として認める寛容な社会」ができると心から信じていたからだ。が、実はそれはまったく意味がなかった。嫌煙家をネチネチと攻撃をしている間に、WHO(世界保険機構)が「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」などの「外圧」が強まって、日本政府をじわじわと追いつめていたのである。

 そして、愛煙家の敗北を決定づけたのが、「東京五輪」だ。

 IOC(世界オリンピック委員会)は、WHOと協定を結んで「ノースモーク五輪」を掲げて、五輪を開催させてやる代わりに、その都市と国に禁煙規制を呑(の)ませてきた。愛煙家が多い中国の北京やロシアのソチでも禁煙規制を導入させるという「剛腕ぶり」だった。

 日本で五輪をやることは、この軍門に下るということだ。愛煙家やタバコ企業は、「日本には世界に誇る分煙文化がある!」と悪あがきを続けたが結局、タバコ族議員が幅をきかせて長くタバコ規制を妨げてきた自民党さえも屈することとなって、健康増進法が改正。飲食店など屋内原則禁煙という規制となった。これは「禁煙ファシズム」や嫌煙活動家が勝利をしたわけではない。シンプルに、日本政府がWHOの政治圧力に屈しただけである。

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