この15年余りの「タバコ規制」の道のりを取材してきた筆者からすれば、「美少女萌え」も同じ道をたどるようにしか見えない。今、美少女アニメのファンの皆さんは「海外が口を出すな」「萌えは文化」「美少女キャラを規制されたらアニメはおしまいだ」と猛烈な反発をして、フェミニストや活動家の皆さんをボロカスに叩いている。中には、SNS上でフェミニストの皆さんが身の危険を感じるような「恫喝」をしている人もいる。
が、実はそのようなことをしてもほとんど意味はない。日本国内の規制が厳しくなるか否かを分けるのは、国内の活動家の皆さんの叫び声よりも、「外圧」なのだ。つまり、「美少女萌え」に関して厳しい規制を「勧告」している国連だ。
「だったら、国連から脱退せよ」と戦前の陸軍のようなことを主張する人もいらっしゃるかもしれないが、今の日本は当然そのようなことはできないし、国連の影響は無視できない。
先ほども述べたように、その国連で採択されたSDGsを、日本は政府・企業が一丸となって取り組んでいるからだ。
「SDGsの目標であるジェンダー平等や子どもの性的搾取禁止を進めるけど、“美少女萌え”は文化だから大目に見てよ」という主張は、残念ながら国際社会では通用しないのだ。
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