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» 2021年11月24日 08時00分 公開

「日本を代表するコンテンツ」温泉むすめが炎上! 美少女萌えとタバコ規制の微妙な関係スピン経済の歩き方(2/7 ページ)

[窪田順生,ITmedia]

「延焼」を防ぐため迅速に社名削除

 ほとんどの企業が「女性活躍」や「ダイバーシティ」「ジェンダー平等」などを推進している。そのようなご立派な目標を掲げる企業が「性差別・性搾取を応援している」なんて批判されるのはよろしくない。そこで「延焼」を防ぐため迅速に社名削除に動いた、というのは容易に想像できよう。

 「そのように企業が弱腰だからフェミニストがつけ上がるのだ!」「政府の言うように日本を代表するコンテンツなのだから、威力業務妨害などで逆に訴えてやるべきでは!」

 ネットやSNSでは、萌えファンの皆さんからそんな怒りの声が多く上がっているが、残念ながら現実問題として、企業としてそのようなスタンスを貫くことは難しい。

 先ほどのサポーター企業のように、ジェンダー平等やダイバーシティを推進している企業が多いのは、日本が国をあげて「SDGs」(持続可能な開発目標)に取り組んでいるからだ。内閣総理大臣がSDGs推進本部長を務めているので、大企業は従うしかない。このSDGs的な価値観に基づくと、「セーラー服姿の少女に性的エピソードを語らせる」ことは「児童ポルノ」という扱いになってしまう。つまり、SDGs的には今回抗議があった「温泉むすめのキャラ」は完全にアウトなのだ。

温泉むすめのキャラはアウトなのか(出典:エンバウンドのリリース)

 実はSDGsの16番目の目標「平和と公正をすべての人に」という中には、「子どもに対する虐待、搾取、人身売買、あらゆる形の暴力や拷問をなくす」と明記されている。「まあ世界にはそういう遅れた国もあるもんな」とほとんどの日本人は他人事のように感じだろうが、実はSDGsを採択した国連からすると、これは「日本」にも向けられたものだ。

 日本ではセーラー服姿の少女が、はちきれんばかりの胸や下着が見えそうなミニスカートを履いているようなイラストは「かわいい!」「萌え〜」と喜ばれて終わりだが、国連から見れば、立派な「児童を性的対象とした表現物」――つまり、世界に約180万人いると推計される、子どもの性的搾取被害を後押しする「児童ポルノ」であり、「表現の自由」や「文化」として容認されるものではない、というスタンスなのだ。

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