くら寿司は12月8日に、新たな事業戦略を発表した。コンセプトとして「安くておいしいお寿司を永続的に提供しサステナブルな経営を目指す」を掲げた。コンセプト実現のために、22年10月期には6つのチャレンジをするという。
1点目は「新たなユーザー層獲得」だ。同社は、10〜20代の若者がコロナ禍でアルバイトのシフトが減るなどして収入が特に落ち込んでいる一方、飲食への消費マインドが高いと分析。コロナ収束後はリベンジ消費が見込めるとしている。そこで、Z世代(1990年後半から2000年代生まれ)を新たなターゲットとする。具体的には、この世代向けの店舗を12月9日、東京・原宿にオープンする。同店舗では、クレープマシーンを導入。クレープなどここでしか食べられないスイーツを提供する。また、全国の店舗ではスイーツを強化する。これ以外にも、さまざまな施策を打ち出していく予定だ。
Z世代向けの新店舗は、店舗面積が通常の2倍となる212坪、座席数は通常の1.2倍となる245席とした。プロデュースするのは、有名クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏だ。同店舗には、くら寿司初となる個室も用意した。さらに、SNSスタンドを設置してシェアしたくなる仕掛けも盛り込んだ。装飾やユニフォームにもこだわり「世界一映える寿司屋」を演出する。
2点目は「お寿司の安定供給」だ。2013年以降、食料品全体の価格が高騰している。消費者物価指数を見ると、生鮮魚介類の価格は10年から19年にかけて1.3倍となっている。また、マグロ、イクラ、カニ、ウニなどの輸入水産物も高騰しているという。背景にあるのは、世界的な魚食ブームと国内水産事業者の人手不足だと同社は分析。そこで、新たに水産専門会社を立ち上げるとともに、漁業事業者を支援し、供給安定化を図る。
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