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異例の申し出 「ケント」や「glo」のBATJが“紙巻の増税”を要望した理由社長に聞く(4/5 ページ)

» 2021年12月20日 06時00分 公開
[上間貴大ITmedia]

他社の動きはどう見る?

――国内の加熱式の市場は拡大していますが、フィリップ モリス ジャパン(PMJ)のIQOSが圧倒的に高いシェアを持っています。その点はどのように受け止めていますか。

 他社のことについてお話は出来ませんが、私が伝えたいことは、今年のgloのパフォーマンスは非常に良かったという点です。

 上半期で見た時に、国内のたばこ市場におけるgloの数量ベースのシェアは、20年度比で0.8ポイント拡大し6.2%でした。加熱式のみの市場でも20%を超え、年々増加傾向にあります。

 現在国内にgloのユーザーは300万人います。もちろん併用する方も含めた数ですが、当社がgloを市場に投入する前、紙巻しか展開していなかった時の消費者とほぼ同じ数です。16年に仙台で販売を開始し約5年程しか経過していませんが、それほどの消費者にgloが支持されていることは非常に大きなポイントだと考えています。

 さらに成長させるためにも製品のイノベーションを推進するとともに、手に取りやすい価格設定とすることで、ユーザーの数を増やしていきたいと考えています。また、オーラルたばこなどの「非燃焼性たばこ」の選択肢を増やし、消費者を取り込んでいきたいと考えています。

――競合社は次々と「次世代型」をうたうデバイスを投入しています。gloでもそのような新しいデバイスの投入は検討しているでしょうか。

 現在市場で流通している「glo hyper+(グロー・ハイパー・プラス)」は、1月に投入した新規モデルです。当社としても、モデルチェンジやアップグレードしたデバイスの投入を続けています。特にハイパー・プラスの見た目はそんなに変わりませんが、新たな加熱技術やブーストモードなど、満足度を高める新しい機能を搭載しています。

加熱式たばこ 「glo hyper+(グロー・ハイパー・プラス)」

 新しいモデルをいつ投入するか、具体的にはお伝えできませんが、当社としてももちろん考えています。競合他社もさまざまなデバイス出していますが、われわれも常に前進していきながら投入していきたいなと考えています。

――デバイスを普及させる方法としては、どのような戦略を立てていますか。例えば、デバイスを無料で配布するなどの方法は考えているのでしょうか。

 デバイスがないと加熱式たばこ専用のスティックを使ってもらえない点で、デバイスを消費者の手に行き届かせる方法は重要だと考えています。

 実際に、紙巻のパックにQRコードを記載したリーフレットを入れ、そこから応募するとgloのデバイスが当たる。といったようなキャンペーンも実施しています。

 しかし、大々的にやるものではないと考えていて、限定した消費者に対してこのようなプログラムを提供しています。ただ、gloのデバイスは980円で展開しているので、普及させるという点ではすでに手の届きやすい価格にはなっているかと考えています。

 やはり広く配布したとしても、お客さまが使ってくれなければ健康リスクの低減といった当社の目的も推進できません。あまり意味を持たないかなと考えています。

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