ここ数年、たばこを取り巻く環境は大きく変化している。たばこ税の引き上げに伴い価格は上昇。また、改正健康増進法の施行や、東京五輪、新型コロナの感染拡大を機に喫煙所の廃止や一時閉鎖が相次いだ。
このような背景もあって、喫煙者の数は減少を続け、日本たばこ協会の調査では、2020年の紙巻たばこの販売本数は988億本と、1990年の調査開始以来初めて1000億本を割った。
そんな中、たばこメーカー自らが「紙巻たばこの増税」を要望するという異例の動きがあった。加熱式たばこの「glo(グロー)」などを展開するブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATJ)が、自民党の議員連盟に対し、来年度の税制改正での増税を要望したとの報道がなされた(時事通信 2021年11月5日配信)。
22年10月の増税は、加熱式だけが対象となる。紙巻のたばこ税は18年、20年、21年の3段階で1本あたり1円ずつ、合計3円(1箱60)引き上げられた。対して加熱式は18〜22年の5段階で増税することになっている。
報道によると、同社が提出した要望書では、来年度の紙巻増税とあわせて、中長期的に加熱式の増税幅を紙巻より抑えるよう求めていたという。
BATJといえば紙巻の「ケント」や「ラッキー・ストライク」を展開するメーカーだ。その企業自らが増税を要望した真意は一体何なのか。たばこを取り巻く環境の変化に対する受け止めや今後の戦略も含めて、同社のジェームズ 山中社長に話を聞いた。
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