ここまでは「レバナス民」ばかりやり玉にあげてしまったきらいがある。しかし大和アセットマネジメントの「ツミレバ」をはじめとして、さまざまな金融機関が、レバレッジ型の投信について、長期運用を前提とした運用戦略を行うことを専用のWebページなどで提案している。金融庁や東証が再三にわたり注意喚起を行っているにもかかわらず、レバレッジ型の金融商品に資金流入が絶えないのは、証券会社にとって収益性の高い商品であることも一因だろう。
レバレッジ型の投資信託には、買付時手数料が最大で2〜3%程度かかるパターンも多い。それだけでなく、信託報酬を含む管理費用もレバレッジがかかっていない投信と比べて2倍ほどのコストとなる。
通常のNASDAQ100連動型の投信の管理費用が年間0.5%程度であるとして、レバレッジ型の投信はその元本の2倍の額を運用していることから、元本分にかかってくるコストは1%程度になる。つまり1000万円しか運用しない顧客でも、レバレッジ型の投資信託を使ってもらえば、証券会社にとっては2000万円を運用してもらうのと同じ収益が見込めるという“客単価の向上”が期待できるのだ。
短期間で大きくもうけが出る商品は、短期間で大きく損失も出得る商品だ。顧客の生涯価値を最大化する上では、長期運用を実行する上で決して避けられない株価下落局面について、顧客に認識してもらい、その対処法についても説明するという誠実さが求められてくるのではないだろうか。
中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。
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