楽天証券のWebページでは、2001年から20年間3万円ずつ積立を実施した際のシミュレーションが行われている。その結果は、投資元本720万円に対して資産総額は1億9700万円と27倍まで増加している。仮にレバレッジなしで積立を行っていた場合でも資産総額は4580万円と元本の6倍以上にはなっているものの、レバレッジ型の結果と通常の投信を比較すると、前者に資金が流入するのもうなずける。
しかし、「レバナス」をはじめとしたさまざまなレバレッジ型の投資信託やETFは、本来長期投資には全く向いていない。
金融庁は6月にレバレッジ型の金融商品について正式に注意喚起を行っている。また東京証券取引所も株価指数に連動するETFのうち、「レバレッジ型」や、株式指数の逆の動きを示す「インバース型」のETFを、「高リスク商品」とみなしてETFの分類から外す方針まで示している。
長期投資を前提とした資産形成制度であるつみたてNISAからも、レバレッジ型の投資信託は除外されており、件のレバナスも当然、つみたてNISAでは投資できない。
それでもSNS上では「老後資金」を手っ取り早く用意するためであったり、少ない元手で「FIRE(経済的自立と早期リタイア)」を実現したりするために、貯蓄の大半をこのような金融商品に注ぎ込むいわば“レバナス信仰”ともいうべき現象が起こっており、顧客が商品性を誤解した状態で運用を続けている可能性がある。。
足元では株価が連続で高値を更新しているため、レバレッジのポジティブな効果がクローズアップされているが、運用終了と株価の下落局面が重なると、顧客資産の大幅な減少をもたらすリスクがある。そんな「レバレッジ型投信のリスク」を確認していこう。
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