小さい資金でも比較的短期で資産形成ができるとして、一部の投資初心者から人気を集めているレバレッジ型の投資信託。しかし、この類の投資信託は、本来であれば長期投資には全く向いていない。上昇相場においての破格のリターンがクローズアップされがちだが、その裏に隠れたリスクをしっかりと説明しなければ、顧客利益を毀損(きそん)してしまい、長い目でみた業界の利益を縮小させてしまうおそれがある。
そんな懸念とは裏腹に、TwitterをはじめとしたSNSを中心に「レバナス民」と呼ばれる投資クラスタが急激に増加している。
「レバナス」とは、大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジ NASDAQ100」、および楽天証券が今年の11月17日にリリースした「楽天レバレッジNASDAQ-100」という投資信託を指す。「レバレッジ」という名称の通り、この投資信託は日々の基準価額の値動きがNASDAQ-100指数(米ドルベース)の値動きに対して、概ね2倍程度となることを目指したファンドである。
ナスダック100指数は、直近の相場上昇をけん引しているグーグル、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)、アップル、そしてテスラなど、「GAFAM+T」をはじめとしたハイテクIT株の構成割合が高い。S&P500などの株式指数と比較して、現状、高いパフォーマンスをたたき出している。
グーグルの検索ボリュームの推移を示す「GoogleTrends」によれば、これまでの投資信託で代表的なブランドであった三菱UFJ国際投信の「eMAXIS」よりも、「レバナス」が2倍程度検索されている。
その理由はなんといっても足元の相場好調とレバレッジ、そして複利効果による破格のリターンだろう。
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