22年も食品関連の企業が最も多く値上げを実施する予定だ。1月に値上げする企業は山崎パン、日清フーズ、カルビーだ。山崎パンは21年10月に和洋菓子の値上げを実施し、年明けには食パン・菓子パンを平均7.3%値上げする。日清フーズは、輸入小麦の政府売渡価格の改定に伴い、1月に小麦粉やミックス製品など、2月にはパスタなど計151品目を値上げする予定だ。カルビーはポテトチップスやじゃがりこなど人気商品の値上げおよび内容量を変更する。
2月には、冷凍食品、加工肉、食用油、ジャムなどが値上げ対象となる。冷凍食品は、味の素冷凍食品がタイで製造している鶏肉加工品について家庭用4品・業務用40品種を値上げ、もしくは内容量を変更する。ニップンは家庭用を最大12%、日本水産は家庭用すり身製品や冷凍食品を家庭用・業務用ともに最大13%値上げする方針だ。マルハニチロは調理用は最大10%、農産品は最大23%としている。
加工肉は、日本ハムとプリマハムが値上げする。日本ハムは家庭用・業務用400品目以上を最大12%値上げする。看板商品「シャウエッセン」なども対象となる。プリマハムは家庭用・業務用で計200品目を最大12%値上げする方針だ。
食用油は、J-オイルミルズが家庭用・業務用の菜種油を1キログラム当たり40円以上値上げする方針。ジャムのアヲハタは家庭用ジャムやホイップ・スプレッド類を13年以来、9年ぶりに値上げする。
3月にはテーブルマークから冷凍食品が、調味料からはキユーピーが値上げする。テーブルマークは家庭用・業務用ともに最大10%の値上げに踏み切る。家庭用の値上げは18年以来4年ぶり、業務用も約3年ぶりとなる。キユーピーはマヨネーズやドレッシングを値上げする方針だ。家庭用は最大10%、業務用は最大15%を予定している。
4月には、サントリースピリッツがウイスキーを最大28%値上げする。国産・輸入ウイスキーの8ブランド計31品目が対象。
食品関連以外で値上げに踏み切る企業はコクヨ、パナソニック、LIXIL、JR東日本・JR西日本となっている。コクヨはノートやファイルなどのステーショナリー製品20品目を1月から平均8%値上げする。パナソニックは配管商品などを1月から、照明器具商品を4月から値上げする方針だ。LIXILは一部の住宅用建材・設備の価格を改定。JR東日本とJR西日本は、東北・山形・秋田・上越・北陸の各新幹線とJR東日本管内の特急列車の特別車両(グリーン車、グランクラス、プレミアムグリーン)に適用しているグリーン料金・グランクラス料金を春から値上げする。
最も多く値上げを発表したのは食品関連の企業で計22社に上った。主な理由の背景には、原材料課価格の高騰や政府売渡価格の改定、またエネルギーコストや物流費、労務費などの経費上昇があるという。
コロナ禍で抑制されていた消費が回復傾向に向かうと期待したいが、たび重なる値上げで消費意欲が削がれないか、不安が残る年明けとなりそうだ。
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