2021年のコロナ関連倒産、20年の2倍に 最も倒産が多かった業種は?帝国データバンク調査

» 2021年12月30日 11時17分 公開
[ITmedia]

 2021年、新型コロナウイルスの影響を受けた倒産は1770件で、20年(842件)の2.1倍になった──帝国データバンクが12月29日、そんな調査結果を発表した。21年8月の感染第5波の影響が大きく、翌9月(179件)が最多となった。12月の倒産は107件(29日時点)となり、13カ月連続で100件を超えている。

photo 新型コロナ関連倒産の月別発生件数推移=帝国データバンクの発表より

 業種別では飲食店(438件)が最も多く、建設・工事業(279件)、食品卸(133件)、ホテル・旅館(120件)が続く。製造・卸・小売を合計した件数は、食品が283件、アパレルが213件。ホテル・旅館、旅行業、観光バス、土産物店などの観光関連事業者の倒産は223件となった。

 都道府県別では、東京(535件)、大阪(269件)、神奈川(153件)、福岡(133件)、兵庫(126件)、愛知(107件)の順に多い。東京と大阪で全体の30.8%、1都3県で全体の32.0%を占めた。

photo 都道府県別の倒産件数=帝国データバンクの発表より

飲食店やホテルの休業・倒産が、建設・工事業にも波及

 帝国データバンクによると、21年の傾向として、建設・工事業の倒産増加が目立ったという。20年9月末時点の建設・工事業の倒産は33件で、ホテル・旅館、アパレル小売を下回っていたが、21年に入り急増。飲食店に次ぐ多さとなった。

photo 新型コロナ関連倒産(飲食店、建設・工事、食品卸、ホテル・旅館、アパレル小売)の累計発生件数推移=帝国データバンクの発表より

 建設・工事業が手掛ける各種工事は、飲食店やホテル・旅館、アパレルショップなどの店舗・施設の建設、リニューアル、維持などに不可欠だ。そのため、感染拡大に伴う店舗・施設の休業、閉鎖、倒産などによって受注が大きく減少。その影響が21年に入って倒産という形で表面化した。22年も飲食店と建設・工事業を中心とした新型コロナウイルス関連倒産は100件を超える月が続くことが予想される──と、帝国データバンクは分析している。

photo 主な新型コロナ関連倒産(負債額上位)=帝国データバンクの発表より

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