山手線の内側2つ分の土地が放出予定? 「2022年問題」は本当に“不動産ショック”をもたらすのか古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)

» 2022年01月02日 07時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

 コロナ禍による金融緩和やリモートワークの普及といった追い風もあって、2021年の国内不動産市況は、マンションや住宅を中心に活発となった。国土交通省の不動産価格指数(住宅)をみると、21年9月の指数は122.5と最高値を更新している。ビフォアーコロナの最高値であった19年1月の115.0から8.7ポイントも増加しているのだ。

活況の不動産市況だが、生産緑地の放出による「2022年問題」が迫っている

 コロナ禍によって東京への人口流出に一定の歯止めがかかった結果、地方都市(札幌・仙台・広島・福岡)の基準地価も前年比で4.4%と高い伸び率を記録した。東京においても、港区・湾岸エリアのタワーマンションのような「成功者の象徴的物件」の価格は、コロナ禍によって年平均で2ケタ%以上の値上がりを示している。もはや世帯年収1000万円を超える「パワーカップル」では歯がたたないレベルとなっている。

 また、郊外エリアで人気が高まっている北千住や、そこからほど近い亀有といったエリアにも人気が集中している。コロナ禍によるリモートワーク機運の高まりによって、住まいの購入に踏みきった消費者が多いようだ。

 昨年までは住宅用が好調をけん引してきた不動産市況だが、今年はいわゆる「2022年問題」のファーストイヤーであり、一部では不動産価格の大幅な下落がもたらされると心配する声もある。

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