「アタック25」復活 地上波ではなく“ジャパネットの放送局”でよみがえるワケ製作元の朝日放送とタッグ(2/2 ページ)

» 2022年01月19日 13時22分 公開
[樋口隆充ITmedia]
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BS放送局開設のワケ

 新番組は、同社が3月に開局するBS放送局「BSJapanext」で放送する。20年12月に設立した傘下の新会社「ジャパネットブロードキャスティング」(東京都港区)が運営している。

photo 放送局のロゴ
photo 運営会社の概要

 佐世保市内のカメラ店を起点に、通販番組の地上波放送を中心に事業を拡大してきた同社。放送局開設の背景には「地上波ならではの制約があった」(同社)と明かす。各放送局の電波を“間借り”する形では放送時間帯や番組の長さ、紹介する商品などの制約が存在するのだ。従来通りの地上波放送での通販番組は継続しつつ、自社で放送局を構えることで更なる売り上げ拡大を目指す。

 自社の放送局では、通販番組以外のコンテンツ拡充も図る。通販番組は「全体の3割程度になる予定」(同社)という。同社の理念「見つけて、磨いて、伝える」に絡め、通常のテレビ番組で取り上げられる機会が少ない、優れた商品やマイナーな観光地など、地域創成に特化した番組(平日のゴールデン帯)や、著名人と一から企画した番組を放送予定。アタック25は、目玉番組の一つとして放送する。その他の番組の詳細は「準備でき次第、随時、公開する」としている。

photo 放送予定番組の概要

 ジャパネットHDは、2020年12月期通期連結決算で、売上高2405億円(前期比約16%増)となり、過去最高を記録。コロナ禍で大きく業績を落とす企業もある中、巣ごもり需要が追い風となり、8年連続の増収となった。同社は事業別の決算を「非公表」としているが「売り上げの多くを通販事業が占めている」としている。

 Jリーグクラブ「V・ファーレン長崎」、18年に参入したウォーターサーバーなど事業を多角化してきた同社にとって、放送事業がメイン事業の売り上げ拡大の起爆剤になり得るか。

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