KDDIが防塵(じん)・防滴に優れたタフネス携帯「G'zOne TYPE-XX」を12月10日に発売した。「G'zOne」シリーズは2000年代、アウトドアファンを中心に根強い人気を誇ったが、カシオが2013年に携帯事業から撤退したことに伴い、惜しまれつつその歴史に終止符を打っていた。そのため、12年11月以来、実に9年ぶりのシリーズ復活となる。
シリーズの復活ということに加え、新機種はフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)という特徴を併せ持つことや、デザインをカシオ、製造は京セラという異例のタッグで実現したことからも注目を集めている。
当初は、難しいとされた同シリーズの復活。KDDI担当者の地道な交渉と、復活を望むファンの熱い声が、KDDIを含めた3社を動かし、最終的に製品化に至った。KDDIパーソナル企画統括本部プロダクト企画部の近藤隆行マネジャーに、新機種を投入した狙いとともに、約4年にわたる復活の舞台裏を聞いた。
同シリーズは、カシオの腕時計ブランド「G-SHOCK」にちなみ、「G-SHOCK携帯」とも呼ばれる人気シリーズだ。
KDDIは2000年2月、キャンプなどアウトドア好きユーザーをターゲットに、同社初の防水・耐衝撃のタフネスモデルとしてシリーズ初号機「C303CA」を投入。「防水携帯」という概念がなかった、当時の携帯市場に風穴を開けた。機能性に加え、G-SHOCKを彷彿(ほうふつ)させる、ゴツゴツとしたデザインも好評を博し、着実にシュアを伸ばした。
その後、カラー液晶を搭載した「G'zOne C409CA」(01年2月発売)や、二つ折りモデル「G'zOne TYPE-R」(05年7月発売)を発売。シリーズ最終モデルになった4Gスマホ「G'zOne TYPE-L CAL21」(12年11月発売)まで、市場ニーズの変化に対応しつつ、他社のモデルとは一線を画した、タフネスモデルという市場を開拓し、「タフネスモデル=G'zOneシリーズ」という地位を確立した。
シリーズが歴史を重ねる中で、ユーザー層も多様に。当初想定したアウトドアファンだけでなく、丈夫さを求める、工事現場や運送業、農業、漁業など屋外で現場仕事に携わる層からの支持も受けるシリーズに成長した。同社によると、一部では自衛隊が愛用しているという声もあるという。
だが、スマホ時代の到来によって、シェアが縮小。採算性の悪化などから、カシオは13年7月、携帯事業からの撤退を発表。同社のタフネスモデルは、京セラが事実上の受け皿となる形で、「TORQUE」(トルク)シリーズとして継承した。現在、5世代目まで出ている。
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