「飲みニケーション」は日本の“文化”なのか 海外の事情世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)

» 2022年02月10日 09時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 「データは21世紀の石油」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

 これまで石油がさまざまな経済活動を支えてきたように、これからはデータが経済活動を支えていく存在になるという意味である。

 多くの人がいま、それを実感しているのではないだろうか。サイバー空間で利用できるサービスから、デジタル化されつつあるコミュニケーションや行政など、データが飛び交うことで実現している活動がどんどん増えている。

 総務省の『情報通信白書令和3年版』によると、日本人のスマホ普及率は87%ほどだが、スマホを便利なツールにしているのもデータである。

情報通信機器の世帯保有率(出典:総務省)

 一方でデータはサイバー攻撃などにもさらされており、セキュリティ対策は不可欠だ。

 先日、そんなデータのセキュリティについて詳しく解説している書籍『超入門 データセキュリティ』(講談社刊)を読んだ。というのも、その筆者がインターポール(国際刑事警察機関=ICPO)の元ナンバー2で、そこでサイバーセキュリティ部門の総局長を務めた非常に珍しい日本人、中谷昇氏だからだ。中谷氏は、世界のサイバー犯罪の現実を最前線で見てきた人物で、説得力は抜群である。

 非常に分かりやすくデータセキュリティについてまとめられているので、データの重要性ついてはこの本に譲りたい。ただ、筆者がこの本で特に興味深く読んだのは、随所に出てくる国際機関(主にインターポール)の「人材」についての記述だった。

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