「飲みニケーション」は日本の“文化”なのか 海外の事情世界を読み解くニュース・サロン(5/5 ページ)

» 2022年02月10日 09時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]
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飲みニケーションで語られるのは

 筆者が勤めていた英国の通信社でも、飲みニケーションは頻繁に行われていた。飲みの席では、中間管理職などが集まって愚痴やうわさを交わすことが多かった。一方で、上司には職務上の懸案事項について意見を求められたり、今後の方向性を決めたりするケースも少なくなかった。すべて一連のコミュニケーションだと理解していた。

 もちろん、飲み会には参加せずに会社で出世している人たちもいる。だが国際的に見ても、飲みニケーションが重要なコミュニケーションツールになっている事実もある。

飲みニケーションが活発なのは日本だけではない(画像はイメージ)

 インターポールで中谷氏は、飲みニケーションなども駆使しながら、データセキュリティに関する意思決定に従事してきた。彼の書籍から、データセキュリティを学びつつ、国際的な職場はどんな雰囲気なのか、またそんなところで存在感を示すためにはどうすればいいのか、といったことも感じ取ってみてはいかがだろうか。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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