なぜ飛行機の“中古”部品が売れているのか JALのカプセルトイが7時間で完売週末に「へえ」な話(4/4 ページ)

» 2022年02月19日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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初めての試みで、やらかしてしまった

 最後にこぼれ話をひとつ。カプセルトイのマシーンに商品を詰める際、気をつけなければいけないことがある。全てのカプセルをよく混ぜてから入れなければいけない。同じアイテムをどんどん入れてしまうと、いわゆる“ダブリ”問題が起きてしまうからだ。「操作禁止タグがほしいのに、エンジンボルトが出てきた。あれ、またエンジンボルトが出てきた。あれ、また、きーーっ!(怒)」となってしまう。

第2弾は翌日に完売

 しかし、JALの整備士チームは、これをやってしまった。初めての試みなので、誰もが通る登竜門のようなものかもしれないが、購入者からすれば関係のない話である。お目当てのモノを手にするために、余分なお金を使った人もいるようだが、特に苦情はなかったそうだ。なぜか。

 これは筆者の想像になるが、すべての商品に“個性”があるからではないかと思っている。カプセルトイ用につくられた、新品のモノが何度も出てきたら、「きーーっ」となる人が出てくるだろうが、JALの場合、“実際に使ったモノ”ばかり。同じエンジンボルトでも「この飛行機に使われていたのかなあ」「摩擦でこすれている部分が違うよ」といった具合に、この世に一品しかないことが、ファンを心を満たしているのではないだろうか。

第2弾は6アイテムを販売

 次の販売日はまだ決まっていないが、第3弾は実施するとのこと。どんなアイテムが出てくるのか。整備場で「これ使えるんじゃないの?」「いやいや、こっちのほうがよいでしょ」といった会話が交わされているのかもしれない。

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