NTTドコモは、ポイントプログラム「dポイント」を6月3日に改定する。利用状況によってユーザーをランク分けし、ランクによってdポイントの付与倍率を決定、最大で2.5倍とする。通常、200円の支払につき1ポイント(0.5%還元)のところ、最大で2.5ポイント(1.25%)まで増やす。
dポイントは開始から6年が過ぎ、会員数は8700万人を超え、利用数は累計で1兆ポイントに達した。共通ポイントとしては後発ながら、楽天ポイントやPontaポイントに並ぶ共通ポイントとして、存在感を高めている。
これまでも、利用状況によって特典が変わるステージ制を採っていた。しかし上位ステージにおいても特典はクーポンなどとなっており、「上位ステージの恩恵が少ない」「ランクアップのモチベーションがわかない」「他社のほうがポイントが貯まる」などの反応があった。これが、今回の改定の背景だ。
ドコモのマーケティングメディア部長 伊藤邦宏氏は、「新プログラムではランクが上がるほどポイント進呈倍率が上がる」と、ポイントの貯まりやすさに自信を見せた。
新ランクでは、中位のランクの条件を、これまでより大きく引き下げた。2段階目となる2つ星ランクは、従来600ポイント必要だったものを100ポイントに引き下げる。ライトユーザーに、ランクアップのモチベーションをわかせることで、ロイヤリティを高める狙いだ。
併せて、ドコモ回線の長期利用特典も見直す。ランクとドコモ回線利用期間との組み合わせで、誕生月のd払いにおいて還元率をアップする。最大で20%還元と分かりやすい特典とした。還元額上限も、従来の3000ポイントから5000ポイントに引き上げる。
ポイント還元率のアップは、ユーザーに分かりやすく、誘因効果が強い。また、ランク制で還元率をアップさせることで、ロイヤリティの高い顧客を囲い込める。まさに楽天が、自社サービスの利用状況によって還元率をアップさせるSPUで成功させた手法だ。一方で、還元率アップはダイレクトにコストに跳ね返るというデメリットもある。
伊藤氏は「一定のコストは見込んでいる。一方で、dポイント活性化によってドコモの各サービスが活性化する。収益的にはプラスの面もあり、またドコモ回線長期利用によるプラスもある」と話し、相乗効果によって還元コスト以上の効果を見込む。
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