楽天グループは10月18日、楽天ポイントを預け入れると年率0.108%の利息が付く「楽天ポイント利息」を開始した。専用ページから100ポイント以上を預け入れられ、1ポイント単位で即時引き出しもできるようにした。毎月末日時点で預け入れているポイントに対し0.009%分のポイントを、翌月5日に付与する。
決済に利用できる電子的な残高にポイントを付与するサービスは、2020年末にフィンテックスタートアップのKyashが1%の利息を付与するサービスを計画、発表し、直後に取り下げた事例もある。法律では、顧客からお金を預かって利息を付けるサービスは「預金」であり、銀行だけに許されている。Kyashのような資金移動業者は、資金移動のために預かったお金に対して利息を付与しようとしたが、叶わなかった。
楽天ポイントは、企業が自由に発行できるものであり、決済には利用できるものの「お金」という扱いではない。そのため、比較的自由にサービスが展開できると見られる。同社は、「本サービスは金融サービスではございません」とわざわざ注記しており、金融関係の法律に規制されるものではないことを強調している。
楽天ポイントは、年間5000億ポイント程度が発行されており、総発行額は2兆5000億円に達している。多くのポイントが退蔵されずに使用されることが特徴とされているが、今回の楽天ポイント利息のスタートにより、ポイントを貯め込むユーザーも出てくるかもしれない。
ただし楽天ポイント利息の対象となるのは、通常ポイントのみ。使用期限がある期間限定ポイントは対象外だ。利息は年率0.108%とそれほど高くないが、通常ポイントと期間限定ポイントの差がますます開きそうだ。
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残高に年利1%の利息提供 新たな形の銀行目指すKyashCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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