これらのサービスには、周辺の施設や店舗の協力が欠かせない。開業に先立ち、ホテルスタッフが地元の人々と交流を重ね関係性を構築してきた。
開業前、2月24日に開催したメディア向け内覧会に登壇した米菓専門店「赤坂柿山」の川合寛妥社長は、「赤坂には観光客や来訪者に情報を発信する拠点がなかった。OMO3東京赤坂が情報発信ステーションになってくれれば」と期待を込める。
また、ツアーで回るBAR・salon「のら犬」では、芸者衆と交流できるプランを展開している。最盛期には100軒近くあったという料亭は数件に減少。また、コロナ禍で会食の場自体が消滅するなど、厳しい状態が続いている。
のら犬のおかみ湯川倫代さんは、かつて芸者だった経験から「赤坂の地に恩返しをしながら今の若い芸者衆がずっと働ける場所を作りたい」とその思いを語る。「赤坂に星野リゾートさんができたことは、大いに歓迎している」と期待を込める。
OMO3東京赤坂ではさらに、宿泊者限定メニューとして周辺の店舗とコラボレーションしたメニューを展開する。ホテル1階のカフェ「上島珈琲店 赤坂一ツ木通り店」では、モーニングメニューとして「真鯛出汁香るスクランブルエッグサンド」を用意した。赤坂の料亭文化から着想し、真鯛のだしを使用した。
また、クラフトビール専門店の「YONAYONA BEER WORKS赤坂店」では、ルームキーを提示することで限定おつまみ「赤 YONA 宴 ボール」をオーダーできるようにした。さらに、ウェルカムビールのサービスも提供するという。
細部まで“ご近所”にこだわったOMOブランド。星野リゾートではその展開を加速していて、4月には大阪市にフルサービスタイプの「OMO7大阪」、5月には「OMO5沖縄那覇」の開業を予定している。
ホテルを拠点に街の活性化につなげるOMOブランドの取り組みは、新たな人の流れをつくる起爆剤になるだろうか。
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