やっぱり「セブン」は強かった!? 「そごう・西武」売却騒動で分かったコンビニ事業の底力長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)

» 2022年03月02日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

利益の大半をコンビニが稼ぐ

 利益面はどうか。21年2月期の営業利益をセグメント別に見てみよう。

 国内コンビニ約2343億円(同8.7%減)、海外コンビニ約981億円(同3.8%減)、スーパーストア約297億円(同39.3%増)、百貨店約62億円の赤字、金融関連約481億円(同10.3%減)、専門店約136億円の赤字、となっていた。

 これを見ると、一目瞭然だ。セブン&アイの利益の大半は、国内・海外のコンビニが稼ぎ出している。セブン銀行など金融の利益率も高いが、コンビニに付帯した事業だ。

 一方で、スーパーの利益増は、ヨークベニマルの貢献度が高い。この結果から、イトーヨーカ堂もやり方次第ではまだ改善の余地があるのではないかと、セブン&アイ経営陣にとって希望が持てる結果になっている。

イトーヨーカドー

 赤字となった百貨店は、コロナ禍によるインバウンド需要の消失も、大きな落ち込みの要因。セブン&アイ経営陣は、売却やむなしと考えざるを得なかった。

 専門店に関しては、セブン&アイはもう実際に動いている。スポーツ・ライフスタイル専門店のオッシュマンズ・ジャパンを、2月10日付で、エービーシー・マートに売却すると発表している。

売却が決まった、スポーツアパレルのオシュマンズ(出所:オシュマンズ公式Webサイト)

 オッシュマンズは、米国オシュマンズとイトーヨーカ堂が提携し、1984年に設立された。しかし、店舗数は9店舗にとどまり、21年2月期の売り上げは約38億円。コロナ前から不振で、利益面では3年連続で赤字だった。ただし、セブン&アイの経営の全体に与える影響は軽微だ。

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