オーケーの店舗を2月下旬に訪れて、洗剤、石けん、おむつといった生活用品の棚を見ると、異様な光景が広がっていた。棚のところどころが空白になっている。そして、花王商品の取り扱いを中止した旨の張り紙が、棚の下の値札スペースに貼ってある。それもあちこちにだ。棚に商品が並んでいることもあったが、在庫がなくなった時点で売り切れとしているようだ。
張り紙の内容はどのようなものか。例えば、タイトルは「取り扱いを中止しました 1/28 」となっている。中身は「『花王トイレマジックリン 消臭・洗浄シトラスミント 本体 380ml』は、商品見直しの為、取り扱いを中止致します。消耗雑貨22.1.28〜22.3.17」というものだ。タイトルと「〜は、商品見直しの為、取り扱いを中止致します。消耗雑貨22.1.28〜22.3.17」の文言は共通しており、さまざまな商品に貼られている。
筆者が訪れた店では、他にも「花王 ハミング消臭実感(ローズガーデン)・(ジャスミンソープ)・(リフレッシュグリーン)つめかえ用」「花王 キュキュット(クリア除菌)・(クリア除菌緑茶の香り)・(マスカットの香り)・(オレンジ)つめかえ用 各770ml」「花王 クイックルワイパー 立体吸着(ウエットシート 16枚入)・(ウエットシートストロング 16枚入)」「花王 ワイドハイターEXパワー大 本体 1000ml」といった商品に、同様の張り紙が貼ってあった。
「トイレマジックリン」「ハミング」「キュキュット」「クイックルワイパー」「ワイドハイター」は、日本人ならば誰もが知っているほどの、花王の代表的なヒット商品ばかりだ。
正直な感想を言うと、花王が値上げをしようとしたのに対して、オーケーはあたかも花王を犯罪者のように扱って、消費者の面前で公開処刑しているように見えた。
花王は、オーケーの理念「高品質・Everyday Low Price」の破壊者なのか。
オーケーにとって、そこまでしなければならないほど、値上げは許しがたかったのだ。
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