4年に1度のスポーツの祭典、オリンピック・パラリンピック。大会に向けては選手のパフォーマンスとともに、それを支える各企業の活動にも注目が集まる。2021年の東京大会、22年の北京大会での経験を踏まえて改善に取り組む企業、はたまた未経験ながら次の大会を目指す企業。その取り組みはさまざまだ。北京大会が閉幕し、24年パリ大会、26年ミラノ大会を目指す戦いはすでに始まっている。次回以降のビッグイベントに向けた企業動向を追う。(不定期掲載)
かつて世界に誇るアーチェリー専門ブランドがあった日本。バブル崩壊後の不景気や少子化などで事業撤退を余儀なくされ、“日の丸アーチェリー”は2000年代初頭までに事実上、消滅したが、約20年の時を経て、昭和感が残る下町の小さな町工場がそのDNAを引き継いだ。いかにして、国産アーチェリーは復活を遂げたのか。その舞台裏を取材した。
ウィーーーーーン。3月上旬、記者が東京・江戸川区内の住宅街にひっそりとある小さな町工場を訪れると、金属の切削音がけたたましく鳴り響くとともに金属特有の香りが漂っていた。
ここで製造しているのは「リカーブボウ」と呼ばれるアーチェリー用の弓だ。1分間に5970回転する高速ドリルを使い、12キロのアルミの塊から約2キロのリカーブボウを削り出す。
製造するのは西川精機製作所(東京都江戸川区)。1960年創業の中小企業で、主に金属加工業を手掛ける。従業員数は10人。西川喜久・現社長は2代目だ。富士通など大企業からの孫請けが多く、過去には理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」「富岳」に使われた基盤のメッキ加工なども手掛けた。
下請けだけでなく、金属加工の知見を生かし、車椅子用のボーリング投球機や「NISHIKAWA Mignon」(ニシカワミニョン)という超小型モビリティも独自開発するなど、事業範囲は広い。
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