家電メーカーのシャープが、化粧品事業に新規参入すると発表した。「えっ、シャープが化粧品!?」。記者を含め、意外な組み合わせに驚いた人も多いのではないか。同社の公式Twitterアカウントの中の人も「まさか化粧水や乳液の発売をツイートすることになるとは、このアカウントをはじめた時には思いもしなかった」と投稿し、その意外性に驚きを隠せないでいるようだ。同社の広報に、参入の狙いなど素朴な疑問をぶつけると、家電メーカーとしての自負が見えてきた。
大きな疑問の1つ目が、家電メーカーのシャープが化粧品をどう製造するかという点だ。同社の広報によると「化粧品の生産設備もノウハウも一切ない」という。ではどう製造するのか。結論からいうと、その手法は「OEM」(相手先ブランドによる生産)だ。同社は化粧品のOEM製造を手掛けるコスモビューティー(東京都板橋区)に、製造を委託する。
異業種から化粧品事業に参入した代表的な事例が、富士フイルムの「アスタリフト」だ。写真フィルムの主成分が「コラーゲン」だったことから、同社は新事業として2006年に化粧品事業に参入。翌07年にアスタリフトが誕生した。
富士フイルムに技術的な素地があったのと比較すると、同じ異業種からの新規参入でも事情は異なるようだ。
シャープは化粧品について「配合の割合は企業秘密なので明かせない」としつつ「配合する成分はOEM先と調整しながら決めた」としている。
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