もう1つの疑問が、「シャープがなぜ化粧品?」というものだ。シャープは日本メーカー初の電子レンジ量産化の成功や、「世界の亀山モデル」と呼ばれた液晶テレビ「AQUOS」シリーズに代表されるように、家電のイメージが強い。このため、消費者との認識にギャップがあるのではないか。
同社が化粧品事業に参入した背景には、コロナ禍でのマスク着用機会の増加がある。同社が20代〜60代の男女1400人にアンケート調査を実施したところ、男性の31%、女性の43%が「マスク着用で肌に悩みができた」と回答。「ニキビ・吹き出物」「乾燥」「肌荒れ」などが男女共通の悩みになっていた。
マスク着用が肌のトラブルにつながるのは、マスクの内側の水分が蒸発する際、肌の表面の水分まで一緒に蒸発してしまい、肌のバリア機能が低下。これにより、マスクとの摩擦で肌荒れにつながるためとされている。
コロナ禍でのマスク不足で、政府の要請に応じる形で、同社は2020年3月、国産マスクの生産に着手。国産品という点などが評価され、コロナ禍の初期には爆発的な人気を誇った。
こうした背景から、同社製マスクの人気とともに浮き彫りになった肌トラブルの解決方法としてスキンケア用化粧品の商品化に至った。同社が発売する化粧品には、保水有効成分「ヘパリン類似物質」と抗炎症有効成分「グリチルリチン酸ジカリウム」を配合。肌の保水機能を高めるとともに、ニキビや肌荒れを防ぐ。
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