コロナで売り上げ3倍に 「ホットクック」が生み出した新市場とは?家電メーカー進化論(4/5 ページ)

» 2022年03月30日 07時00分 公開

便利さと美味しさの共存でヒット

 15年の発売以降、製品ラインアップを増やしながら、徐々に右肩上がりに売り上げを伸ばしていったホットクック。20年のコロナ禍によるステイホームをきっかけに、売り上げは約3倍と爆発的に伸び、シリーズ累計出荷台数は40万台に達するまでになった。

ホットクックの無水調理のイメージ。野菜から出た水分だけで煮込み調理ができる

 その人気のポイントは、2つある。1つは無水調理機能により、食材の美味しさと栄養をキープした健康調理ができる点だ。

 水を入れずに調理できる無水調理は、今となっては対応する製品が増えているもの、無水調理ができる電気調理鍋は、同時期に発売された「バーミキュラ ライスポット」以外にほとんどなかった。水を入れず、野菜から出る水分だけで調理したおかずはその美味しさで多くのファンを掴んでいった。

 もう1つの人気のポイントは、「放ったらかし」で料理ができる点にある。ユーザーは食材や調味料を入れ、プログラムされたメニューを選ぶだけでよく、あとはタイマーとセンサー制御により、放っておいても調理が完了する。

 食材を潰してつくるポタージュなどは、内部にある撹拌機「まぜ技ユニット」が自動で作動する仕組みだ。在宅勤務が当たり前になった時代のライフスタイルにもマッチした。

独自の「まぜ技ユニット」を搭載し、ユーザーは加熱中に操作する必要がない点が、在宅勤務にマッチした

 朝、具材をセットしてスタートしておけば、夜ごはんの時間に最適な温度でおかずが完成する。この便利さはほかの家電にはない。しかも美味しくて栄養満点なのだから、申し分ない。

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